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尽くしてあげちゃう3
〜わたしのご主人様〜

メーカー:
トラヴュランス

 

 トラヴュランスの看板シリーズの3作目です。リリースペース早すぎ。こうも短い時期に同じコンセプト、同じ内容のソフトを出しまくるとそのうちに飽きられてしまうような気がするんですが。とか書いときながら買ってるオレみたいなんがいるうちはこのブランドも安泰でしょう。

 でも、そろそろ濫造は控えた方が……。粗製じゃないと言ってもマンネリ化は避けられないんですから。

《オレ、高田修一の夏は終わった。キャプテンを務めた野球部が夏の全国大会の決勝戦で惜しくも敗退したからだ。周りには素振りも見せなくても悔しい、悔しすぎる夏。そんなオレを身体を使ってまで慰めてくれた養護教員の由貴先生。「責任を取らねば」と先生のところへプロポーズしに行ったオレは先生に仔猫の躾を頼まれる。「それくらいお安い御用です」と安請け合いしたオレは直後に後悔することになる。「あら〜、ありがとう〜」そう言いながら由貴先生がカーテンを開けた保健室のベッドには4人の顔見知りの女の子が全裸で両手両足をベッドに縛り付けられてた。仔猫というのは他でもない、彼女たちのことだったのだ!》

 もー、このプロローグ最高。この“仔猫ちゃんの紹介”に行き着くまで、プレイヤーはどーでもいいテキスト読まされて、いい加減マウスクリックの間隔が短くなってくのね。斜め読み。「♪子供の頃から エースで4番」なんて歌を聴くたびに「ケッ」と毒づいてた“はぐれオタク インドア系”なオレだから、全国大会だのなんだの言われても主人公との一体感なんて全く得られないし、逆に疎外感が増すばかり。そんなダラダラとクリックしてる最中に、4人の娘さんがベッドに転がされて両手両足を縛られてるCGがガツンと。めっちゃビビります。ビビりすぎて笑いが止まりません。や、エロゲーなんだからそういうCGが出てきたって不思議じゃないんですが、いきなしこう、普通のエロゲーなら最後の最後、クライマックスあたりに出てくるようなCGが序盤も序盤で出てきたんだから、やっぱり驚きますて。テキストでは何が起こってるんだかさっぱり理解できず慌てふためく主人公の描写。そう、ここで目出たくオレと主人公は一体化できたのです。ま、そのあとまたグングンと加速をつけて離れてくのですが。感情移入交差点のラグランジュポイントとでも申しましょうか。

 序盤の展開を例に語ってみましたが、さすがに同じようなゲームを何作も作ってるためか、シナリオの構成が手練の業。ゲームの進行もいつもどおりに、娘さんとタイマン勝負で各個撃破の後にルートにハーレムルートが追加というものなんですが、個別ルートでは各キャラの性格や魅力をしっかりとプレイヤーに印象づけてくれるので、それを存分に堪能し、仔猫ちゃん達への愛着が育まれた後のハーレムルートは楽しくて仕方ありません。実に上手いことやりやがってるプロのお仕事です。

 CGは名実共にトラヴュランスというブランドの看板を背負ってると言えるいつものお方。独特ではあるものの、流行りの絵柄ではないんだけど、妙に惹かれるのは無茶な体位でも押し切って描いてしまうパワーを感じるからでしょうか。ですが今回も顔アップでの首が長過ぎ。それと全裸の立ち絵でヘソが上にありすぎ。裸の立ち絵が頻繁に出てくるゲームなのでどうにも目立ってしまってます。もうちょい下に位置させるか、胴を短くするべき。ポーズなどのディフォルメはよほどのものでない限り許容できますが、身体そのもののディフォルメは気付いてしまうとずーっと気になるもんです

 ストーリーは鬼畜要素一切無しのいつものトラヴュランスの純愛路線。が、エロのほうはソフトではなく、ハード路線。いつもならハーレムルートでしか遊べない乱交も初回プレイからワッシワシやれるサービスっぷり。音声の方も妹キャラと先生キャラの頭悪そうな二人はともかくとして、それ以外は楽々と合格ライン到達です。

 システムもD.O系列のお約束の汎用エンジン使用で安定感抜群。いつでもセーブロードに未既読判別の上でのメッセージスキップ、ホイールボタン対応のバックログに無かったら暴動起こしそうなシーン回想と、エロゲープレイヤーの求むもののほぼ全てが実装されてて大安心。最初から使っていけるヒント機能も時間のない社会人さんには喜ばれる贈り物。時間が有り余ってる学生や無職は根性入れてヒントなしで遊べやってわけじゃありませんけど……。

 欠点という欠点は特にないとは思うんですが、突飛すぎるストーリーの展開にはアレルギーを起こす人がいるかも。また、個別撃破中は放課後のレッスンという名の乱交プレイを何度も同じのを見せられるのがちょっと苦痛に感じました。スキップしてる人が大半なんだろうけど、一度に全部見せるのではなく、各キャラのルートそれぞれに違うのを配置しておいても良かったはず。サービス満点も時にはアダになるのです。それと冒頭に述べた性急なリリースペースによるマンネリ化はこの先、避けられない問題になることはまず間違いないかと。精液ぶっかけアニメの採用等、内容に差し障りのない部分で変化をつけようとしてるのはわかるんですが、その努力はあまり実ってない模様。そこだけアニメされてもね。

 あ、忘れてた。『看護しちゃうぞ』の悪夢再び。今回もあります、萎えワード。ハーレムルート中なんですが、

「あっ、そこっ! おにゃんこも可愛がって、御主人さまぁっ」

 おにゃんこて。でもま、「おにゃんこ」なる不思議ワードが出てくるのは一回こっきりだから、気付かなければ気にならないでしょう。気付いちゃうと夜中に思い出し笑いしてしまいますが。

 総合的にこれまでのトラヴュランスのエッセンスがぎゅぎゅぎゅっと詰まった良作。単品でオカズ目的にそいやー!とチンコの横の撃墜マークを増やすために購入するのももちろんですが、お気楽な難易度を考えるとゲップが出そうなボリュームの家庭用の大作なんかの攻略に疲れた時に遊ぶキャベジン的役割ソフトとして買うのも大アリの一本だと思います。

12/8/2001

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